【箸について考えてみよう】

 近年は益々食の欧米化が進み
フォークやナイフ・スプーンを使い食事をする人が増えてきました。
しかし、箸を使う機会が減ったことで
手先や指先を器用に扱えない人が
増えて来ていると言う研究結果もあります。
 ボクたち日本人にとって
箸は衛生面での利点があるだけでなく
繊細な指使いを通じて脳の活性化を促してくれる
未来へ継承すべき大切な日本文化でもあること忘れてはなりません😅

 もともと箸の由来は弥生時代に中国から伝来したもので
平城京跡からは多数の箸が出土しています。
ただし箸の文化が一般に定着したのは鎌倉時代以降と言われています。
 また『源氏物語』や『枕草子』には
貴族が金属製の匙(さじ)と箸で食事をする描写が見られます。
その後 武家社会になると武士や禅宗僧侶の食事作法から
「摘む・挟む・切る・掬う・巻く・離す」と言った扱い方が洗練され
箸の高度な技術が形作られていきました。

 中国の箸が全体を通して同じ太さであるのに対し
日本の箸は先に向かって3分の1ほどが細くなっています。
中国では同じ型の箸の山から2本を取り出してセットにしますが
日本では元々2本でワンセットとして扱われてきました。
 「1対の箸」「手と箸」「箸と食物」「食物と口(身体)」が
一体となる総合的な行為には
自然と所作を美しくするという素晴らしい利点もあり
日本人は箸を毎日使う
「自分だけの特別な道具」として大切にしてきました。


 また他国では箸を縦に置くのがマナーですが
日本では料理の手前 横に置きます。
これは神と人の領域を分ける「結界」の役割を果たすほか
「箸の片方は人間のもので もう片方は神のもの」と言う
表現があるように 食事の際には箸に神様が宿ると言う
考え方が自然に息づいていたからなのです。
 また日本では「マイ箸」文化や「夫婦箸」「祝い箸」など
生活の中で箸に意味を持たせる習慣も根付いています。
箸は単なる道具ではなく贈り物やしきたりの一部として
人と人とのつながりを象徴する存在でもあるのです。

 我が家で現在使っている箸(上段2対)は
富士山麓に住んでいた頃
山梨県「道志村」で天皇家へ手作りの箸を献上している
お爺ちゃんの所に何度も足を運び
やっとの思いで教わり自分で削り作った竹製の箸です。
 直径4mmほどの細い箸は先端に向かって鋭く尖っています。
これは小さな物でもつまみやすくするための工夫です。
 更に細い割りには硬くしっかりとしていますが
これもお爺ちゃんからやっと聞き出した秘伝の策なのです。
 それはなんと…😳
現在ボクの暮らしている熊本の球磨郡(球磨川)の岩場に生える
孟宗竹を切り出し使っている物だからだと教えて貰いました!
 山や竹林に生えている孟宗竹と違い
岩場に生えている孟宗竹はミネラル分が豊富ですので
乾燥させると非常に硬度が増すと言うことだったのです😅

 余談になりますが、中国からやって来た孟宗竹の
名前の由来について面白い話があります。
 三国時代の呉に孟宗と言う人物がいて…
病気の母のために冬にタケノコを求め嘆いてたところ
竹林にタケノコが生えていたと言う噂を聞き取りに行ったことから
孟宗と言う「親孝行の人物」にちなむ名前が由来になったとされています。
 また日本への最初の移入は
1736年の江戸時代に薩摩藩が中国から2株を持ち込んだとする説が有力で
現在ボクが暮らす芦北町の隣町
鹿児島県出水市に渡来した孟宗竹は
江戸時代の宝暦年間1751年から1764年頃に
薩摩藩主が将軍家へ献上し
吹上御苑に植えられたと言う記録もあります。

 このように日本人にとっての箸は
「たかが箸…されど箸」と言った具合に
様々な日常生活の中で 比喩として現在も残っています。
 さて次の箸にまつわる言葉は
一体どんな意味を持っているのでしょうか?
皆さんも日本文化の橋渡しとして一度考えてみては如何でしょう…😅

・「箸が転んでもおかしい年頃」… 日常の何でもない出来事にもおかしがる年頃。
・「箸の上げ下ろし」…
・箸より重いものを持たない …
・箸折り屈みの兄弟 …
・たばこは箸で植えよ …
・箸にも棒にもかからぬ …
・石臼を箸に刺す …
・大飯食らい箸を選ばず…。

 

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カテゴリー: 天波ジャーナル

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